あなたのお子さんは、普段、しっかりお口を閉じていますか?はっきりと発音ができていますか?
ご自身はいかがでしょうか?ご両親は、どうですか?
ご飯を食べるときに音をたてたり食べこぼしをしていないでしょうか?お食事のときにむせたり食べれないものが増えていませんか?
朝起きたとき喉が痛かったり、お口が乾いたりしていませんか?

MFTはMyofunctional therapyの略語で、日本語では筋機能療法といいます。
お口の周りの筋肉をうまく使って歯や骨の正常な成長発育が行えるよう促し、また、健康な歯や歯列を長く維持するための治療のことです。
舌や口唇および顔面の筋肉など口のまわりの筋肉を強く、またバランスを良くし、正しく機能させることで歯並びや顔貌、口腔内の状態を良くしていくことを目的としています。
ご飯を食べる・話をする・表情で伝えるというように、お顔やお口の筋肉は日常生活でとっても大切な役割を担っています。
普段お口がポカンと開いていると、お口が乾燥してプラークが付きやすくなったり着色しやすくなったり口臭がつよくなったりもします。
お口の機能を整えることは、QOL=生活の質をよくするためにとっても大切なことなのです。

子どものMFT

昨今では、食生活や生活習慣の変化でお口の機能がうまく成長できていないお子さんが増えてきています。
こういった場合に筋力をつけていくことを目的としたトレーニングを1回10~15分程度で練習してもらうのがこのMFTです。診療室で舌やお口の周りの筋肉の動かし方を練習し、練習した内容をお家で毎日トレーニングしてもらい、2~4週後にまた医院で復習していきます。
お口の癖も食べ方の癖も、すぐには治りません。お家での練習もとても大切なため、お母様・お父様の協力がとっても大切になります。
そのため診療室でも親子で一緒に練習していただくこともあります。

大人のMFT

大人になってからもお口の機能を整えることは重要です。
大人になるとだんだん虫歯や歯周病で歯がなくなってしまって補わないといけなくなってしまうことがあります。
この虫歯や歯周病の予防にも影響してきますし、さらにはお口の機能がブリッジや入れ歯の安定にかかわってきます。
舌やお口の筋肉がうまく動かないと入れ歯がうまく合わずにお食事を取ることがとても大変になってしまうことがあります。

高齢になってからのMFT

高齢になってくると、いろんなところの筋力が衰えてきてしまいますが、お口の筋力も全身と同じようにだんだん筋力が衰えてきてお食事が難しくなってきます。
それに伴ってお食事に偏りが出てきたり、誤嚥の原因となって重篤な病気を引き起こすこともあります。
こういった筋肉の衰えによるお口の機能の低下を「オーラルフレイル」といいます。
このオーラルフレイルは、筋トレと同じで訓練することで改善することができます。
パタカラ体操はこのお口の機能を向上させるための一つの方法です。正しいやり方を一緒に勉強し、練習していきます。

MFTはそれぞれのお口や生活習慣にあった方法で必要な動き方を訓練していくことが大切です。
当院では、患者さんそれぞれにあった方法を考え、じっくり向き合って治療していきます。

MFT記事写真